子どもをより良い環境で学ばせたいという理由で、都市部を中心に人気を集めている「中学受験」。首都圏では5人に1人が中学受験をすると言われています。
また、子どもが小学4年生くらいになると、それまでお世話になっていた学童保育を出ないといけなくなるケースも。放課後の預け先に「塾」を考えるご家庭も多いのではないでしょうか。
しかし、時間的な制限の多い共働き家庭において、十分な受験のフォローができるかどうかは悩めるところです。
そこで、共働き家庭で娘の中学受験に伴走した筆者が、気を付けたいポイントや上手な進め方についてまとめました。
塾はやっぱり必要?
中学受験では、小学校では習わないような範囲・難易度の問題が出ますので、受験用の勉強をする必要があります。
よほど意識の高いご家庭でない限り、中学受験専門の塾にお任せする方が安心でしょう。
いつから入塾するかはご家庭の考えにもよりますが、受験に合格するためには「何時間も座って勉強できるか」が最初の難関となります。
そのため、新4年生のカリキュラムがスタートする小3の2月に入塾し、勉強できる体力を徐々に身に付けることをおすすめします。
親はどんなことをすればいいの?
中学受験における親の主な役割は、①送迎、②塾弁当、③時間管理、④宿題のフォロー、⑤プリントやノート類の整理になります。
①塾までの送迎
歩いて行ける範囲に塾がない場合、一人で電車に乗れるかどうかがポイントです。
できるだけ家から通いやすい塾を見つけてあげる、慣れるまでは一緒に行く、場合によっては送迎シッターやファミリーサポートなどを利用するのもいいですね。
帰りは夜遅くなりますので、お迎えできない場合も想定し、塾までのルートが安全かどうかを調べておきましょう。
②塾弁当
塾で食べるお弁当は、朝のうちにおかずを作って冷蔵庫で保存、ご飯は子どもが自分で詰めていけば温かいお弁当が食べられます。
また、コンビニでおにぎりを買って行き、塾から帰ったあと夕食(おかずだけ)を家で食べるという方法も。
③時間管理・スケジューリング
共働き家庭の中学受験では、とにかく時間が足りないというシーンがいくつもあります。
限られた時間を有効に使うためにも、親がしっかりと時間管理をしてあげましょう。
PCが得意なワーママなら、Excelでスケジュール表を作っても。親が不在の時でも子どもが何をしたらいいのか分かるように、可視化しておくことが大切です。
④宿題のフォロー
6年生にもなると週4日は塾となり、残りの日で塾の宿題をこなす必要があります。
大量の宿題に困惑してしまいますが、必ずしもすべてこなす必要はありません。わが子にとって難しすぎる問題や簡単に解ける問題は省き、「あと少しで正解できそう」な問題にしぼって勉強します。どの問題を優先するかは塾の先生にも相談し、親が決めてあげましょう。
⑤プリントやノート類の整理
塾では週末ごとに定期テストが実施される上、日々の小テストなども合わせると膨大なプリント類を持って帰ってくることになります。
プリント類は科目別・時系列できちんと整理しておくと、あとで間違った問題の確認や解きなおしを行う際に役立ちます。
また、ノート類も大量に消費します。置き場所を確保してあげましょう。
パートナーの協力は必要不可欠
共働き家庭では受験のフォローは父親と母親の両方で行うことが望ましい、いえ「必須」といっても過言ではないと思います。その理由は以下の通りです。
学習面で分担できる
理数は父、国社は母というように分担して勉強を見てあげられます。一人ですべての科目の面倒を見るのは時間的に見ても、疲労度を考えても難しいでしょう。
データ分析やリスト作成など夫が得意なものを任せられる
たとえば過去問をこなした回数や点数、合格最低点まであと何点必要かなど、Excelでまとめておけば役立ちます。そういう作業はパパの方が得意だったりしませんか?
受験が始まると最低でも大人2人は必要になる
中学受験では、まだ受験を受けている真っ最中に先に受けた学校の合格発表があり、合格証明書を貰いに行かなければ合格を取り消されてしまいます。しかも、受け取りまでの時間がとても短い!そのため、1人は子どもに付き添い、もう1人は合格証明書を貰いにいく必要があります。
受験のストレスを母親だけで抱え込むと、子どもに悪影響が出る
受験のストレスは、子どもはもちろん親にも相当かかります。そんなとき、夫婦で支えあうことができれば子どもに辛く当たったりするのを防げます。
共働きならではのメリット
中学受験においてデメリットが多いと思われがちな共働き家庭ですが、メリットもたくさんあります。
金銭的な余裕が生まれる
たとえば3年間進学塾に通わせるとおよそ200万円かかります。
中学・高校と私学に進めば年間100万円ほどかかることになり、それ以外にも任意で参加できる海外研修旅行費やクラブ活動費、交通費なども入れると、お金は十分に用意しておく必要があります。
夫だけの収入より、夫婦でダブルインカムの方が安心できますね。
中学受験のことに捕らわれすぎて煮詰まるのを防ぐ
わが子の成績が思うように伸びない、やる気が感じられない、志望校にまったく手が届かないなど、中学受験に悩みはつきもの。四六時中そのことで頭がいっぱいになっているとストレスが溜まってしまいます。働くことで気分転換になり、息抜きができます。
母親だけでは手が足りず、自ずと父親も参加することになり家族の絆が深まる
合格という1つの目標に向かい、夫婦で一緒に子どものサポートに徹することで、自然と会話が増え、絆が深まります。
塾が終わる時間まで仕事ができるので、腰を据えて仕事に打ち込める
夕方に慌てて仕事を切り上げて帰っていた人も、塾が終わる夜9時頃まで延長することができます。仕事が忙しい方にはメリットかも?
共働き家庭が中学受験で気をつけたいポイント
学校見学は早めに済ませる
6年生になると土日がテスト等でつぶれてしまうため、子どもを連れて学校見学することが難しくなります。4年生のうちに自宅から通える範囲の学校をできるだけ多く回っておきましょう。最初は興味のなかった学校でも、6年生になってから急に有力候補に挙がることがあります。
赤本は早めに入手し、親だけでも問題傾向を把握しておく
子どもが志望校の赤本を解き始めるのは6年生の10月以降ですが、それより先に親が問題傾向を把握しておくと、よく出題される問題を日々の勉強に取り込むことができ、効率的に学習できます。
試験前の数日間は学校を休むので、その間の対策を立てておく
インフルエンザなどの感染予防のため、子どもは試験前の数日間~多い人は2週間くらい学校を休みます。
仕事が休めない場合、お昼ご飯の用意やその日やることのスケジュールを考える必要があります。
出願や合格発表はwebで自宅からできる
いまやほとんどの学校がweb出願を実施しているため、仕事を休まなくても出願が可能です。
合格発表もwebで行うところが多く、受かった場合のみ学校に行けばよいので共働き家庭には助かりますね。自宅にPCがない場合は、志望校で対応してもらえるか聞いてみましょう。
まとめ
共働き家庭の中学受験は時間的にも体力的にも厳しい面は確かにあります。
でも、時間の使い方を工夫したり、夫婦で協力して役割分担することで、十分に受験のフォローをしてあげることは可能です。
勉強には介入しないというご家庭でも、すべて塾任せにするのではなく、一緒に受験を乗り越えることで家族の絆は深まります。
親が一緒に取り組んでくれることで、子どものモチベーションアップにつながり、合格がグッと近づきますよ。
中学受験のために働き方を見直したい方は、派遣deパートまでご相談ください。