最近、子どもの習い事などで聞かれるようになった「プログラミング教育」。
小学校では2020年度から、中学校では2021年度から必修化されることをご存じですか?
「必修化されるなんて知らなかった!」というママはもちろん、知っているママも「プログラミングってよくわからない」「なんだか難しそうでうちの子にできるか心配」「早めに準備しておいた方がいいのかな」など、気になることがたくさんありそうです。
そこで、「プログラミング教育」が今なぜ必修化されるのか、子どもは何を学ぶことになるのか、などについて簡単にご紹介します。
プログラミング教育の必修化とは?
2017年に告示された新学習指導要領において、小学校では2020年から、中学校では2021年からプログラミング教育が必修化されることが公表されました。
プログラミング教育とは、プログラミング的思考、つまり論理的な物の考え方という基礎的な学力を習得するための教育とされます。小学校・中学校いずれも「プログラミング」という科目が新しくできるわけではありません。
また、新学習指導要領などに「何年生でどのようなプログラミングを学ぶこと」という具体的な内容が明記されているわけでもないのです。
具体的な学習内容については、各市町村の教育委員会や各教育現場で詳細が決められることになります。
ココがポイント!
- 2020年度からすべての小学校でプログラミング教育が必修化される
- 「プログラミング」という科目ができるわけではない
- 学習内容は各市町村によって異なる
なぜプログラミング教育が必修化されるの?
では、なぜ今プログラミング教育が必修化されるのでしょうか。
その背景には、IT人材の不足が深刻化していることがあります。
現在ある職業のうち、何らかの形で基礎的なITスキルを必要とするものは約90%と言われています。
ところが、2020年には約37万人ものIT人材が不足すると予想されているのです。
つまり、今後はそれだけIT分野に携わる人材が必要になるということであり、ITの力をつけることで子どもの将来の可能性を広げることになります。
さらに、「IT力」をめぐる今後の国際的な競争の激化に備えて、各国がすでに学校教育にプログラミングを導入しています。
そこで、日本でも子どもが将来を生き抜くスキルを育てるために、IT力の向上を目指してプログラミング教育が必修化されることになりました。
ココがポイント!
- 現在約90%の職業にITスキルが必要
- プログラミング教育は将来的なIT人材の不足への対応のために必修化される
- 国際的な競争に備えるためでもある
「プログラミング教育」に対する誤解を解く!
「プログラミング教育」なんて、聞き慣れない言葉で不安になるかもしれませんね。
ここでは、プログラミング教育で「誤解されがち」なことを解消していきましょう。
プログラミングはプログラマーになるための学習!?
小学校や中学校で行われるプログラミング教育は、プログラマー養成を目的としているわけではなく、将来なりたい職業とも関係ありません。
例えば、体育の授業でサッカーを習っても、サッカー選手の育成が目的ではないことと同じイメージです。
パソコンで専門的な操作をする学習ではなく、プログラミング的思考を身に付けたり、日常生活の中でプログラミングが利用されていることを知ることが教育の目的になります。
小学校低学年の子どもには早すぎる!?
プログラミング的思考とは、どんな命令をどんな順序で出せば自分の思い通りの動きをコンピュータにさせることができるかを、論理的に考える力のことです。
物事を論理的に考える力は今後どのような職業に就く場合でも必要とされるため、プログラミング的思考は読み書きや計算と同様に、子どものうちに身に付けるべき基礎学力のひとつという位置づけになります。
パソコンにあまり触れたことのない小学校低学年の子どもでも、なじみのある科目の中に組み込まれたり工夫された教材を使ったりしてプログラミングを学習できるため、早すぎるということはありません。
新しく受験科目になる!?
プログラミングは新しい科目の一つになるわけではないので、今のところは受験科目にはなっていません。
ただし、高校ではプログラミングも含まれる「情報I」の科目が2022年度から必修化される予定になっています。
そのため大学の入学試験にも情報科目を導入することが検討されており、将来的には受験科目に含まれることも考えられます。
小学校ではどんな勉強をするの?
文部科学省が発表した「小学校プログラミング教育の手引き」によると、小学校でのプログラミング教育の目的は、以下の3つを学ぶことです。
では、具体的にどんな勉強をするのか、例を見てみましょう。
文部科学省・総務省・経済産業省が連携して立ち上げた、子どもたちへのプログラミング教育の普及・促進のための活動を行う組織「未来の学びコンソーシアム」でも、プログラミング教育について紹介されています。興味がある方は下記サイトをご覧ください。
今、子どものためにどんな準備ができるの?
これから小学生になる子どもを持つママの中には、今からできることがあれば知りたいという方もいらっしゃるでしょう。
そこで、家庭でプログラミング学習をする方法を、いくつかご紹介します。
プログラミング学習用のおもちゃや絵本を使ってみる
メリット:家庭で好きな時間にできて、コストが抑えられる。
デメリット:同じものを何度も使うと飽きてしまうことも。
オンラインで使える無料のアプリやゲームで遊んでみる
メリット:コストが抑えられ、実際にパソコンやタブレットに触れられる。
デメリット:種類が多く子どもに合ったものを選ぶのが難しい。
プログラミング教室に通ってみる
メリット:専門家によって、子どものレベルや興味に合わせた学習ができる。
デメリット:時間や費用がかかる。
まずは家庭でおもちゃやゲームを試してみて、子どもがやりたがるようだったら体験教室やイベントなどに行ってみてもいいかもしれませんね。
まとめ
「小学生が学校でプログラミングを習う」と聞くと、ちょっと違和感がある方もいるかもしれません。
でも、読み書きや計算と同じように、子どものうちに身に付けたい基礎的な学力のひとつと捉えると、それほど心配することはなさそうです。
これからの社会で、IT力はますます必要になってきます。子どもの生きる力をはぐくみ、将来の選択肢を増やすためにも、尻込みせずに子どもと一緒に楽しく学んでみましょう!
※本記事は2020年1月時点の情報をもとに作成しています。