新年度が始まり、1ヶ月近くが経ちました。
子どもたちは新しい環境に少しずつ慣れてきた子もいれば、まだまだ気持ちが不安定という子もいます。
そこで今回は、新生活が始まった今こそ気をつけたい安全面のチェックポイントや、人間関係のトラブルケアについてご紹介します。
さらに、長い連休明けに心配な「子どもの5月病対策」についてもまとめました。
GW明けも元気に過ごせるよう、親子で確認してみてください。
安全面のチェックポイント
小1の交通事故は「下校中」に頻発!
子どもが小学校に入学したママは、送り迎えが不要になって少し余裕が出てきた頃かもしれません。
しかし、警察庁が平成30年3月22日に発表した「児童・生徒の交通事故」の調査によると、小学1年生の歩行中の死者数は小学6年生のなんと8倍!
月別死傷者数は、少し学校に慣れた「5月・6月」がもっとも多く、時間帯で見てみると下校中にあたる「15時台~17時台」に集中しています。
出典:「児童・生徒の交通事故」(警察庁)
親の手を離れて初めて一人で通学することになった新1年生が交通事故に遭ってしまうのは、大変悲しく痛ましいことです。
交通事故を防ぐために、いま一度子どもと一緒に通学路を歩き、横断歩道の渡り方や歩道がない道の歩き方などを確認しましょう。
その際、「信号がチカチカしたら次に青になるまで待つ」「この道は車が飛び出してくることがあるから、左右をよく見てから渡る」など、何をしたらだめなのか、何に気をつけるべきなのかを具体的に指示することが大切です。
ただ「気をつけなさい」と言うだけでは、子どもは何に気をつけたらいいのかわかりません。
一方、春から子どもが園に通い始めたママは、荷物の多い日や雨の日など、想定外の状況に慌ててしまうことがあったのではないでしょうか。
特に自転車で登園している場合は、荷物が多いとバランスを崩しやすいので要注意。
また、子どもをシートに座らせたまま自転車を離れると、倒れることもあり危険ですので絶対にやめましょう!
余裕を持って行動できるように、朝の時間の使い方を見直してみてもいいですね。
犯罪から子どもを守るために
残念なことですが、子どもが被害者となってしまう犯罪が後を絶ちません。
「知らない人についていかないこと」と言われても、子どもにとっては「知らない人」の認識があいまいでわかりにくいことが多いようです。
会えば挨拶をする程度の近所の人や、よく行くお店の店員さんなど、「顔を知っている人」は「知らない人」ではないと思ってしまうかもしれません。
そこで、「相手が誰であっても、声をかけられたり誘われたりしたときは必ず親に話す・聞く」というルールを徹底させましょう。
また、「まだ小さいから大丈夫」「男の子だから大丈夫」というのは親の油断であり、実際には小学校低学年や男児であっても犯罪被害に遭うケースは多く見られます。
年齢・性別に関わらず防犯意識を高めておくことが大切です。
特に小さい子どもには、「水着を着たときに隠れる場所は、人に見られても、触られてもダメ」と教えておくとわかりやすいようです。
災害時の対応は、子どもにもわかるように伝える
地震や豪雨などの災害は、時と場所を選ばずいつ起きるかわかりません。
もし子どもが保育園・幼稚園や学校にいる時に災害に遭った場合は、先生方の指示に従うこと、あとで必ず迎えに行くことなどを伝えて安心させてあげましょう。
子どもだけで遊びに出かけている時に被災することも考えられます。
その場合はどうしたらいいか、集合場所はどこにするかなど、家族で具体的に話し合っておきましょう。
人間関係のトラブルケア
友達関係のトラブルは、まずは話をよく聞く
新年度が始まって、それまで仲が良かった友達と離れてしまったり、新しい友達ができたりと、子どもの人間関係も大きく変わっていく時期です。
新しいクラスメイトと馴染めなかったり、思いがけないトラブルに巻き込まれたりして、落ち込むこともあるかもしれません。
最初は友達との関係がうまくいっていなかったとしても、いずれ必ず仲良しの友達ができたり、自分でトラブルを解決できたりするようになるもの。
まずは子どもの話をよく聞いて、助けが必要かどうか様子をしっかり観察してあげるようにしましょう。
また、外で緊張している分、おうちではリラックスできるようにしてあげてください。
先生と密なコミュニケーションを
入園・入学したての頃は、子どもが先生に自分の気持ちをうまく伝えられないのはよくあることです。
また、担任の先生が変わって戸惑っている子もいるかもしれません。
これまではわかってもらえていたことが、新しい先生には伝わらなかったり…と、子ども自身がもどかしい思いをしていることも。
そんなとき、ママやパパが先生と親しく話していると子どもは安心します。
先生と接触する機会をなるべく作って、子どものことを気にかけてもらえるように働きかけましょう。
子どもの様子で気になることがあれば、時には遠慮せずに伝えていくことも必要です。
小学校では先生と顔を合わせる機会が少ないので、連絡帳を上手に活用しましょう。
保護者同士で挨拶、連絡先を交換
子どもが新生活に慣れてくると、新しい友達のおうちに遊びに行くようになるかもしれません。
そんな時、相手の家の場所やママの顔も知らないのは心配なもの。可能なら、最初に相手の家まで送っていって挨拶しておきましょう。
それが無理でも、送り迎えや参観などのときに子どもの友達のママとは顔見知りになっておきたいですね。
特によく遊びに行ったり来たりする友達の場合は、片づけや門限のルールを決めておくことがトラブルを避けるためにも必要です。
保護者同士で連絡先の交換をしておくと、いざというときも安心です。
子どもの5月病対策
「5月病」の原因は?
「5月病」というと大人がなる病気だと思われがちですが、実は幼児や小学生でもなることがあるそうです。
ちなみに「5月病」という正式な病名はありません。
一般的には、環境の変化に対応するために緊張状態が続き、ストレスがたまった状態で長期休暇に入ると、気が緩んで落ち込んでしまう症状を「5月病」と呼びます。
4月に入って環境が大きく変化する子どもも、5月病になる可能性があります。
特に、真面目で頑張り屋さんの子どもほど、気づかないうちにストレスをためていることがあるので要注意です!
子どもが「5月病」になったら?
「5月病」と思われる症状には次のようなものがあります。
- 表情が暗く、それまで好きだった遊びやおもちゃに興味を示さない。
- 口数が減り、食欲がない。
- 寝つきや機嫌が悪い。
- 園や学校に行きたがらない。
もし、このような子どものサインに気づいたら、まずはのんびりと過ごさせてあげましょう。
これまで自分でできていたことを「やって」と甘えてくると、「自分でしなさい」と言いたくなりますが、そこをぐっとこらえて甘えさせてあげるように。
休み明けの子どもの不安には、「久しぶりの幼稚園だからドキドキするね」など共感してあげることや、いつもよりスキンシップを多めにして安心感を与えることも有効です。
頑張っている子どもにはプレッシャーをかけず、リラックスさせてあげれば、1~2週間で自然と症状はなくなるようです。
また、子どもが5月病かな?と思ったら、園や学校の先生にも状況を理解してもらうことが必要です。
いつもと様子が違っていても、見守ってもらいましょう。
まとめ
入園入学直後に気をつけたい安全・人間関係のトラブルケアと、5月病対策についてご紹介しました。
今まさにこんなことで悩んでいる、またはこれから心配だという方は、ぜひ参考にしてみてください。
特に、新しい環境に慣れてきた時期は油断してしまいがちなので、いつでも気をつけるように親子で心がけましょう。
子どもが小さい頃からできる安全対策の一つに、「子どもの自己肯定感を高める」というものがあります。
子どもが「自分は大切にされている」と感じることで、危険を察知したときに身を守ろうと思ったり、罪を犯しそうになったときに悲しむ人の顔が浮かんだりするということです。
この「自己肯定感」は、今後スムーズな人間関係を築く上でも欠かせないもの。
思わぬ事故や事件から子どもを守るためにも、日頃から子どもに愛情を伝えていきたいですね。