2019年5月1日に新たな天皇がご即位され、元号が「平成」から「令和」に変わりました。
10月22日には「即位礼正殿の儀」が行われることを記念して、全国的に祝日となります。
どちらも2019年だけの歴史的に貴重な体験といえます。
ところで、もし子どもに「即位礼正殿の儀って何?」と聞かれたらどう答えますか?
「天皇」や「元号」についてはいかがでしょうか。
「天皇」や「元号」について知っているようでも、子どもにもわかるように説明するのは意外に難しいかも知れません。
そこで今回はいつもと趣向を変えて、「天皇」や「元号」について子どもに分かりやすく説明するポイントをまとめました。
話のネタとしても、知っておくと役に立つかも知れません。
即位礼正殿の儀って何?
- 10月22日は「即位礼正殿の儀(そくいれいせいでんのぎ)」という国の儀式が行われる。
- 「即位礼」とは、皇太子が天皇になった(即位した)ことを知らせる儀式のこと。
- 「即位礼正殿の儀」は、天皇が即位したことを国民や外国の人に披露する儀式で、200近い外国の要人が参列する予定。
- 国民みんなでお祝いするために、今年だけはお休みになっている。
子どもに「どうしてお休みなの?」と聞かれたら…
「『新しい人が天皇になりました』とお知らせする行事があるから、みんなで幼稚園(保育園)や学校、お仕事を休んでお祝いするんだよ」
「即位礼正殿の儀」はテレビやインターネットで中継され、その日はニュースで大きく取り上げられると思われます。親子で注目してみてはいかがでしょう。
さらに知っておきたい
- 「即位礼正殿の儀」の後、天皇皇后両陛下のパレード「祝賀御列の儀」も行われる。
現天皇皇后両陛下の公式パレードを見られるのは、これが最後かもしれません。
歴史的瞬間を親子で体験するまたとないチャンス!東京近郊にお住まいの人はぜひ見に行ってみましょう。その場合は公共交通機関を利用するようにしてくださいね。
パレードのルートは以下を参照
政府広報オンライン
天皇って?
- 天皇とは国の平和と国民の幸せを祈る存在。
- 天皇のお仕事は国の象徴として外国からの大事なお客様を迎えたり、外国や国内の行事に参加なさったりすること。
- 初代の天皇は神武天皇(じんむてんのう)で、今から2700年ほど前に即位したといわれている。
- 今の天皇を今上天皇陛下(きんじょうてんのうへいか)と呼ぶが、神武天皇から数えて126代目になる。
- 基本的には天皇の子どもで一番目の男の子が次の天皇になる。
- 日本の天皇の歴史は世界で最も古く、世界最長記録としてギネスブックにも載っている。
- 歴史が古いことから、イギリスの女王やアメリカの大統領など、世界各国の要人も日本の天皇をうやまっている。
子どもに「天皇って誰?偉い人?」と聞かれたら…
「天皇は日本のみんなの幸せを願ってくれる人だよ。外国の人が来たときにお迎えしたり、色々な場所に呼ばれたりしているの。日本にとって大事な人だね」
国王や大統領との大きな違いは、天皇が何かを決めたり命令したりはしないこと。「偉い」というよりは「大事」という答えがベターかもしれませんね。
さらに知っておきたい
- 天皇は太陽神「天照大神(あまてらすおおみかみ)」の子孫とされるため、昔は天皇は神だと思われていたが、第二次世界大戦後に神ではないと宣言された。
この機会に日本の歴史や神話に興味を持った子には、「古事記」などのわかりやすい本をすすめてみてもいいかもしれません。
どうして平成から令和になったの?
- 5月1日に天皇がご退位され、新しい天皇がご即位された。天皇が変わるタイミングで元号も変わるので、「平成」から「令和」になった。
- 「令和」には「人々が美しく心を寄せ合う中で文化が生まれ育つ」という意味が込められている。
- 歴史や文化、美しい自然といった日本のよいところを次の時代へ引き継ぎ、国民一人ひとりが明日への希望を持てる時代になるようにという願いが込められた元号である。
子どもに「れいわってどういう意味?」と聞かれたら…
「きれいな国がこれからも続くように、みんなでがんばりたいねっていう意味だよ」
「令」は「よい」「美しい」、「和」は「なかよし」「平和」という風に、漢字の意味をそれぞれ教えてあげるのもいいでしょう。
さらに知っておきたい
- 「平成」には、日本国内外が「平和に成る」ようにとの願いが込められていた。
子どもが元号の意味に興味を持ったら、これまでの元号についても意味を調べてみましょう。
元号って?
- 元号とは日本にしかない独自の暦で、特定の時代や期間に対してつけられる。和暦(われき)とも呼ぶ。
- 西暦645年に「大化」という元号が使われたのが最初とされる。
- 以前は天皇が交代する時以外にも自由に元号を変えることができたので、これまでに200以上の元号が使われてきた。
- 一人の天皇に対して一つの元号となったのは明治から。
子どもに「元号ってなに?」と聞かれたら…
「世界で日本だけの、時代につけられた名前だよ。今は『令和』だけど、天皇が変わるとまた別の名前になるんだよ」
「平成」や「昭和」、「大正」「明治」などのこれまでの元号の話をしたり、簡単に説明している本を探してみてもいいですね。
さらに知っておきたい
- 2019年など、世界共通の暦は西暦(せいれき)。キリストが生まれた年を1年と数え、それ以前は紀元前、以降は紀元後と呼ばれる。
西暦と和暦、2つあるのは世界でも日本だけです。どんな時に和暦が使われているか、どの場合はどちらの方が便利かなど、親子で考えてみてはいかがでしょう。
10月22日の「即位礼正殿の儀」は日本にとって歴史的な行事
10月22日の「即位礼正殿の儀」は日本にとって歴史的な行事であり、めったにない貴重な体験です。
この機会に、天皇や元号についてあらためて考えてみてはいかがでしょう。
また、日本の歴史や文化についてさらに知りたくなったら、子どもと一緒に調べてみてもいいかもしれませんね。
今はラグビーやバレーボールのワールドカップ、2020年の東京オリンピックなど、世界的なスポーツイベントが日本で開催されることもあり、愛国心や団結力が特に高まっている時期といえます。
子どもが日本に育ったことを誇れるように、そして日本で育った自分を好きになれるように、親子で日本の歴史や文化についての知識を深めていきたいですね。