妊娠が判明したら、まず何をしますか?
パートナーや両親に報告して喜びを分かち合ったり、赤ちゃんを迎えるための準備を始めたりする方も多いでしょう。
でも、仕事をしている方にとっては、妊娠してうれしい反面、色々と不安や戸惑いを感じることもありますよね。
これからの働き方や産休・育休をとるタイミング、産後の復職について考えたり、妊婦さんが安心して働ける制度や様々なお金の手続きについて調べたりすることも大切です。
そこで今回は、仕事を続けたい妊婦さんがやっておきたいことをリストアップしてご紹介。
職場に迷惑をかけないように、そして何よりも自分とおなかの赤ちゃんの心身の健康を守るために、ぜひ参考にしてみてください。
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職場編
職場に報告する
まずは直属の上司や、同じ案件を抱えるチームのメンバーなどに報告しましょう。早めに対応してもらうため、妊娠が判明した時点で報告した方がよさそうです。
他の同僚などには、流産の心配が減り、安定期に入る妊娠5ヶ月頃に知らせるのがベター。
クライアントや取引先などへの報告は、社内のサポート体制が固まってからにしましょう。
働き方を相談する
出社・退社時間をずらしてもらう、在宅勤務を認めてもらうなど、職種に応じて勤務体制を相談しましょう。ラッシュ時の通勤など、体に負担をかけることを避けるためにも必要です。
また、仕事内容についても量を減らす、重いものを持たない、長時間の立ち仕事は避けるなど、体に負担がかからないように交渉しましょう。
場合によっては、現在の部署や担当を変更してもらう必要があるかもしれません。
急な不在に備える
妊娠中はいつ、どんな体調の変化があるかわかりません。
急な入院など、いつ不在になってもいいようにデスク周りや資料をわかりやすく整理し、今抱えている仕事の引き継ぎを済ませておくことが大切です。
また、つわりが始まった人は周囲に相談し、理解してもらうと安心です。
母性健康管理指導事項連絡カードを利用する
会社員ママの場合は、母子手帳に付属している「母性健康管理指導事項連絡カード」を使用することができます。
これは、ママに安静が必要な症状が現れたときなどに、職場がとるべき措置について医師から事業主に指導してもらうものです。
ママ本人から伝えにくいことでも、医師から伝えてもらえるので安心ですね。
母性健康管理指導事項連絡カードは下記サイトでもダウンロードできます。
出典:母性健康管理指導事項連絡カードの活用方法について(厚生労働省)
手続き編
母子健康手帳を受け取る
母子健康手帳は、市区町村の役所または保健所に「妊娠届出書」を提出することでもらえます。
「妊娠届出書」は病院で渡されるか市区町村の役所・保健所でもらえますので、各自治体で確認しましょう。
母子健康手帳と一緒に妊婦健診の受診券や、保健師等による相談、母親学級の紹介などの情報ももらえます。なるべく早く受け取ることをおすすめします。
産休について確認する
出産前の「産前休業」と産後の「産後休業」を合わせて産休と言います。
産前休業は出産予定日の6週間前から(双子の場合は14週前から)請求すれば取得できます。
産後休業については、出産の翌日から8週間は就業できないというルールがあります。
本人の請求および、医師が支障ないと判断した業務に限り、産後6週間を過ぎれば就業できます。
産休中の給与は、ほとんどの会社では支払われません。
下記の記事も参考にしてください。
育休の取得時期を検討する
育休(育児休業)とは子どもが1歳になるまでの間で希望する期間、育児のために休業できる制度で、男女ともに取得することができます。
保育園に入園できない場合は、育休を半年間延長することもできます。
休業開始予定日の1ヶ月前までに申し込む必要があり、育休中の給与はほとんどの会社では支払われません。
夫婦が同時、あるいは交代で育休を取得する場合、1歳2ヶ月になる前日まで育休を延長できる「パパ・ママ育休プラス」という制度がありますので確認してみてください。
経済的サポート編
出産育児一時金
- 対象:すべてのママ
- 申請締め切り:出産の翌日から2年以内
出産する際、赤ちゃん1人につき42万円が出産費用として支給されます。
申請先はママの勤務形態によって異なり、住む地域や勤務先によっては支給額が増える場合もあります。
児童(子ども)手当
- 対象:すべてのママ
- 申請した翌月から支給
0歳~3歳未満の子ども1人につき1万5千円が支給されます。
現住所の市区町村の役所に申請すると、その翌月分から支給されるので、産後すぐに手続きすることを忘れずに。年3回、まとめて支給されます。
出産手当金
- 対象:会社員ママ
- 申請締め切り:産休開始の翌日から2年以内
健康保険または共済組合から、「日給(※)×2/3×産休で休んだ日数」の手当金がもらえる制度です。
産休中に退職した場合でも、勤務先の健康保険に1年以上継続して加入していれば支給対象になります。
※日給とは、年収を12で割った月収を、30で割った金額
育児休業給付金
- 対象:会社員ママ
- 申請締め切り:育休開始の翌日から10日以内
雇用保険に加入しているママが対象の制度です。もらえる金額は育休開始から6ヶ月までは育休前の賃金の67%で、6ヶ月以降は50%です。
給付期間は原則として育休取得日から子どもが1歳になるまでです。
社会保険料の免除
- 対象:会社員ママ
- 申請:事業主が申請
産休育休期間中の健康保険と厚生年金の保険料が免除となります。ママ自身の手続きは必要ありませんが、知っておくと安心です。
日常編
マタニティマークをつける
マタニティマークは母子手帳と一緒にもらう場合がほとんどですが、自分で購入したり、付録になっている雑誌を買ったりすることもできます。
自分好みにカスタマイズするグッズも販売されていますので、妊娠中の気分を高めるためにも挑戦してみては。
緊急時に適切に対応してもらうため、外出時はいつも身に付けておくようにしましょう。
妊娠前の習慣を見直す
飲酒や喫煙はもちろん、カフェインの摂取なども妊娠中は控えた方が賢明です。
ただし、我慢することがストレスにならないように、ノンカフェインのコーヒーなど代用品を上手に活用しましょう。
妊娠中、特に初期は眠くなりやすいため、自転車や車の運転はなるべく控えめに。
そのほか夜更かしなどにも気を付けて、体調管理に気を配りましょう。
妊娠中、特に注意したい体調管理
妊婦さんにとって冷えは大敵。冷え対策用として、職場にひざ掛けなどを置いておくと安心です。
また、妊娠後期は足がむくみやすくなるため、着圧ソックスなどで対策しましょう。
つわりがひどい方は、脱水症状にならないようにこまめに水分をとることが大切です。
市販薬の服用を避けるため、風邪の予防も必須。インフルエンザの予防接種も受けておきましょう。
保活する
産後、復職する予定の方は、自由に動けるうちに保育園を調べておきましょう。
認可保育園だけでなく、無認可保育園や病児保育などの情報も集めておくと安心です。
パートナー編
パートナーの父親としての自覚を育てる
パートナーがお腹の赤ちゃんの存在を感じる機会を増やしましょう。一緒に健診に行く、お腹に話しかけるなど、できることを積極的に。
家のことを情報共有する
急に入院するなどの不測の事態に備えて、家の中のことをきちんと伝えておきましょう。
特にお金や保険のことなどを情報共有しておくと、いざというときも安心です。
家事ができるようにしておく
産後の即戦力になるように、パートナーひとりでも一通りの家事ができるとベストです。妊娠が判明したタイミングから、少しずつ始めてみては。
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まとめ
働く妊婦さんがやっておきたいことをリストアップしてみました。
妊娠すると、通常とは違う体調や行動の制限に戸惑うこともあるかもしれません。正しい知識を身に付けて、お腹の赤ちゃんとともに自分の心身の健康を守りましょう。
もし、同じ職場に先輩ママがいたら、会社の制度について教えてもらうのが一番よい方法かもしれません。
また、独身の人、子どもがいない人には頼りづらい面もありますが、できることとできないことを明確にする方が、結果的には職場のためになります。
「無理をして結局迷惑をかけてしまった」ということのないように、ママになるための準備を一つずつクリアしていきましょう。