パートや派遣で働いていても、長く働けば仕事の効率も上がり、就業した当初よりもスキルは上がっているはずですよね。
能力に見合った昇給を望みたいところですが、パートや派遣でも昇給することはできるのでしょうか。
ここでは、パートや派遣で働く場合の昇給事情や、うまく交渉するコツ、方法などについてまとめました。
パートや派遣の昇給は可能
結論からいうと、パートや派遣であっても昇給することは可能です!
ただ、どんな状況でも必ず昇給するというわけにはいかない実情があります。
昇給は労働条件や就業規則に明記されている
パートや派遣社員を雇用するとき、企業は労働条件を記載した文書の交付や就業規則の作成などを行うことが法律で定められています。
その際、労働条件や就業規則の中で昇給についても明記しているのです。
たとえば「昇給は年1回、〇月に見直しを行い、個人の能力や業績に応じて行う」と書かれていたとします。
この場合でも、「個人の能力を査定した結果」「業績不振のため」などの理由により、実際に昇給するかどうかは曖昧にされがちです。
企業側に「なぜ昇給されないのか」について納得できる説明を求めることはできますが、実際にそこまでする人はまれで、モヤモヤとしつつも働き続けている、といったケースが多いようです。
昇給時期は企業や勤務態度によってまちまち
企業の中には、試用期間を経た後に昇給する制度を設けていたり、試験などを実施して合格者を昇給させるといったシステムを導入しているところもあります。
そういったタイミング以外での昇給は、企業によってまちまちなので入社前に確認してみても良いかもしれません。
入社してすぐに即戦力として活躍できたとしても、数ヶ月勤務した程度では昇給せずに、最低でも1年以上は勤務する必要がある企業が多いですね。
また、しっかり働いていたとしても、遅刻や欠勤数により査定されるケースや、単純に勤務年数に応じて定期昇給されるケースもあります。
このような理由により、入社当初と同じ時給で働き続けている人も少なくないのが実情なのです。
パートが昇給をする方法
真面目に働いているなら交渉次第で昇給する可能性は充分にあります。パートが昇給するためのコツについて見てみましょう。
労働条件や就業規則をチェックし、時期を見計らって交渉する
多くの場合、昇給するタイミングや時期については、パート契約時に書面で交付されています。
そこに明記されている昇給見直し時期の少し前を狙い、上司へ昇給の交渉をしてみましょう。
昇給を希望する理由について明確に説明する
「1年働いたから時給を上げて欲しい」「見直し時期だから昇給して欲しい」と言うだけでは、昇給理由として弱いと受け取られてしまいがちです。
「入社して1年経ち、後輩のサポートや、新しい仕事を任される機会も増えました。今後も意欲を持って働いていきたいので昇給を検討していただけないでしょうか」のように、自分の勤務状況が昇給に値する理由について、わかりやすく説明することが大切なのです。
業績が好調なときや、繁忙期の直後に交渉する
昇給の交渉は、あまり度々はしたくないですよね。「仕事ぶりは評価しているが、業績が思わしくない」と言われてしまうと、再度切り出すには「給料の話ばかりだな」と思われそうで、言い出しにくくなってしまいます。
会社の業績が好調なときや繁忙期を乗り越えた直後、最高売上を達成した後などのタイミングで交渉をすれば、より昇給の可能性は高まるでしょう。
派遣が昇給をする方法
派遣の昇給は本人が直接企業へ交渉するのではなく、派遣会社が企業と交渉を行います。
1年以上勤務しているなら、昇給の可能性は高い
派遣の場合も、1年以上継続して勤務しているなら昇給交渉のタイミングといえます。
一般社団法人日本人材派遣協会が行っている調査では、およそ3割の派遣社員が昇給していることがわかっています。
短期よりも1年以上継続して働いている派遣の方が、昇給の可能性は高くなっているのです。
派遣先での信頼・評判を勝ち取っていることが前提
派遣社員は派遣会社に雇用されているため、昇給の交渉は派遣会社の営業担当者へ行います。
とはいえ、派遣先企業での評価が高くなければ昇給する見込みは低くなってしまいます。
日ごろから誠実に働き、派遣先で充分な評価を得ていることが昇給の前提となるようです。
まとめ
パートも派遣も、昇給を交渉するタイミングは1年に一度まで。また、一度の昇給で上がる金額の相場は10~50円程度(時給)となっています。
たった数十円の昇給であっても、1ヶ月換算すれば数千円の差になります。
長く真面目に働いてきて現在の時給に不満があるなら、一度昇給の交渉をしてみてもよいのではないでしょうか?